『わき毛』 いつから「女性は処理する」ことが一般的になったのか

『わき毛』 いつから「女性は処理する」ことが一般的になったのか

2018/05/09(水)

かつて「女性のわき毛」は立派なセックスシンボルとして捉えられていた。

1952年に上映されたイタリア映画『にがい米』の主演女優、シルヴァーナ・マンガーノのわき毛に興奮したと語る男性は数多い。

日本でも日活の看板女優だった筑波久子、“和製マンガーノ”と呼ばれた松竹の泉京子らが銀幕でわき毛を晒し、男性の視線を釘付けにした。

そもそもわき毛は、わきにある性ホルモンと関係の深いアポクリン汗腺を守るためにある。

男性が女性のわき毛に惹きつけられるのは根拠があるのだ。

では、なぜ女性のわき毛は処理されて当然となったのか。

わき毛の処理が一般的になったのは1915年頃、アメリカのファッション誌で「夏服を着るならわき毛を処理しよう」という広告が出てからといわれる。

これを受けてアメリカでわき毛処理のブームが起き、程なくして日本に伝わった。

日本の一般女性がわき毛処理を始めたのは1960年代頃から。

この頃、国民の服装が和服から洋装へと変化した。

ノースリーブを着始めたことで、これまで見えなかったわきが露出するようになり、エチケットとして手入れをするようになった。

ただ、まだ現代ほどは徹底されておらず、1963年に写真家・秋山庄太郎氏が撮影したヌード写真や、当時の娯楽雑誌『100万人のよる』のヌードグラビアを見ると、わき毛のあるモデルが散見される。

現代の価値観に近づくのは1970年代後半、脱毛も行なうエステティックサロンの増加と関係が深い。

わきのみならず「女性の脱毛」がブームとなり、技術の進歩とともにわき毛の処理は常識になっていった。

そんな中、“タブー視”されたわき毛を敢えてさらすことで、自己主張しようとした女性もいた。

1986年にデビューした黒木香は、16歳以降剃っていないというわき毛を武器に活躍。

2001年には女子大生がインターネットサイト「わきげ友の会」を設立。

2005年の時点でアクセスは38万件を超えた(現在は閉鎖)。

アメリカには「男が剃らないなら私たちも剃らない」と主張する団体がある。

1970年代にわき毛グラビアを披露した、田中真理氏はこう語る。

「日本は女性がわき毛を伸ばすだけでも、戦わないといけない不自然さがある。

男はそのままでいいのに、女は常に体の手入れをしなくてはならないという男尊女卑です。

わき毛一つで男どもは何を騒いでいるんだ、というのが正直な感想(笑い)。

女性でも個人の価値観で、伸ばしたい人がいたら伸ばせばいいと思います」

果たして再び女性が自由にわき毛を伸ばせる時代は来るだろうか。

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