シギとサギのクチバシ

シギとサギのクチバシ

“シギ”と“サギ”と言えば,干潟など水辺に住むトリである。

名前は似ているが,“シギ”はチドリの仲間であり“サギ”はコウノトリの仲間だ。

シギは,体の割に長めのクチバシを器用に使いエサを探す。

そして種類によって,いろいろな形のクチバシを持つ。

真っすぐがあれば,上や下に反ったもの,さらにはヘラのようなものまである。

真っすぐなクチバシを泥の穴に突っ込み,ゴカイや貝をはさんで引っ張り出す。

上に反ったクチバシは水面の,下に反ったものは深い穴をほじくってエサを探す。

クチバシは,獲物によって変化するのだ。

さて,クチバシの長いシギをよく眺めると、目の前にアイラインが入っている。

どうしてトリにはアイラインがあるのだろう?さて,この理由が面白い!ヒトの目は、顔の前方にあるので立体視が可能である。

しかし弱い動物は、外敵に襲われないよう視野を広くする必要がある。

そこで,襲われる立場にある動物は目が顔の側方にあるのだ。

しかし,これでは立体視ができずエサを捕るのが難しい。

しかもクチバシが長ければ,なおさらだ。

そこでアイラインである過眼線(かがんせん)が登場する。

トリの目からこの線をたどって行くと,ちょうどクチバシの先に達する。

両方の線が交わったところがロックオン状態。

そこで,口を開ければエサを捕ることができる。

生物界は,かくも巧妙にできている。それでは,クチバシが上や下に反ったシギはどうだろう?そう!反っていても、過眼線の延長上にクチバシの先がある。

さてサギは,コウノトリの仲間であり大きな翼で飛翔する。

クチバシが長く,水中の小魚をエサにする。

ところが、“サギ”は”詐欺”なのである。

サギは過眼線の延長上には,クチバシの先がこない。

線の延長より下方に先があるのだ。どうしてだろう?ヒントは,“水中の魚を食べる。”にある。

そう!賢明な読者はお気づきのことと思う。

水の屈折率が影響するのだ。

サギが見ているのは虚像であり,実際にはその手前に魚がいる。

これがあらかじめ計算され,過眼線の延長とクチバシがずれている自然の巧妙さには,目をみはるばかりである。

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