繰り返している生活習慣

座っている時間の長い人ほど寿命が短い

2018/10/27

普段、気にもとめずに繰り返している生活習慣。それが知らず知らずのうちに老化やボケ、寿命に差をつけているとしたら? 

食事、運動、住まいから配偶者までどちらがいいのか、比べてみました。暮らし方、見直してみませんか?

▼食事

《パン食 × コメ食》

主食となる炭水化物。コメとパンではどっちが○?

「私はコメを勧めています。理由のひとつは、日本人の腸内環境は日本人の食生活と深く関わっているからです。

日本人が海苔を消化し栄養にできるのも、長い歴史のなかで食べものに応じて腸が育ってきたから。

コメのほうが日本人の体に馴染んでいるのは確かでしょう。

またコメはおやつには食べませんが、パン食の習慣がある人はおやつにパイや菓子パンなどを食べがちなので、総じてカロリーが高くなる傾向にあります」(秋津医院院長の秋津先生)

好きなときにいつでも食べられる現代。

大切なのはきちんと空腹の時間をつくることで、消化器官を休ませるとともに、蓄えた脂肪を燃えやすくすることだ。

腹回りが気になりだした人は、夕食の炭水化物を思い切って控えめにしよう。

《甘党 × 辛党》

糖分もアルコールも摂りすぎがよくないのは言うまでもない。

でも、ボケる危険があるのは甘党だと秋津先生は指摘する。

「最近、認知症は第3の糖尿病と言われ始めているくらい認知症と糖は関係が深く、甘党のほうが認知症になりやすいと言われているのです」

甘みは一種の快楽。

ストレスが溜まると、食べると幸福感を生むスイーツでそれを埋めようとしがち。

不満の解消を糖分に依存しないように。

一方の酒は毎日飲んでもかまわないが、あくまで食中酒という位置づけが望ましい。

量は人により異なるが、二日酔いするまで飲むのは酒に対して失礼だと辛党の秋津先生。

「あくまで食事がメーンで、それを楽しむための酒。もう一軒、締めにラーメンというのは最悪です」

《小太り気味 × 痩せ気味》

「肥満は絶対によくありません。

そうかと言って40代のサラリーマンがアスリート並みに体脂肪率一桁台というのもよくない」と語る秋津先生。

やはりベストなのはBMIも体脂肪率も正常範囲であること。

でも、正常範囲にも幅がある。

痩せに近いのと小太りに近いのとでは長生きするのはどっち?

「免疫や代謝に関わると思うのですが、体脂肪率だと24%くらいの“ちょいぽちゃ”のほうが長生きするという調査結果があります。

40代以降はストイックに体を絞ることはやめたほうがいいでしょう」

▼仕事

《立ち仕事 × 座り仕事》

座っているほうが楽なのだが「立って仕事をする人のほうが絶対に長生きする」と秋津先生は断言する。

座っている時間の長い人ほど寿命が短いというレポートが最近、アメリカで発表された。

記事のタイトルは〈あなたは殺人椅子に座っていませんか?〉。

「運動量が全然違うのと、座った姿勢は血流も悪くなる。

もちろん歩行時間も大事ですが、立っている時間を少しでも稼げれば、それは長生きに繋がります」

《遠距離通勤 × 職住近接》

「通勤電車では立っていることが望ましいけれど、満員電車で遠距離を立って通勤するというのは地獄です。

運動のプラスよりも、ストレスによるマイナスのほうが大きい」(秋津先生)

職場の近くに住むのが理想だが、家が遠いのなら1時間早く起きてでもラッシュ時間を避けて出勤したほうがいい。

「会社の周りを散歩したり、早朝ジムで体を動かしたり、朝を楽しく過ごす方法はいろいろあるはずですよ」

▼住まい

《整頓好き × 片付け下手》

「元気に長生きしている人の部屋が散らかっているのは見たことがない」とお茶の水健康長寿クリニック院長の白澤先生は言う。

「長生きの人は毎日、規則正しく同じことを繰り返している人がほとんどです。

毎日同じ時間に起き、布団を畳んで押し入れにしまい、毎朝同じように味噌汁を作り、部屋を掃除し、お茶の時間に緑茶を飲む」

やることが決まっているから、ゴミ屋敷になることもない。

体もそれに合わせて動かすので運動にもなる。

「不確定なこと、予測できないことはストレスです。

毎日同じことをきちんとして、気持ちよく過ごす生活習慣があればボケにくい」

寝たきりやボケになるきっかけは、単調な毎日に退屈し、生活に飽きてしまうことにある、と白澤先生。

「ボケを起こさない一番の薬は今を幸せに感じる気持ちです」

《犬を飼う × 猫を飼う》

「ペットを飼うほうが長生きするという事例はたくさん見ています。

愛情を注ぐ対象がいることは幸福感をもたらし、退屈感や孤独感を解消できるので、認知症の予防にも期待できます」(白澤先生)

特に効果が顕著なのは犬を飼うことだと白澤先生は続ける。

「犬は散歩をさせなくてはいけないので、自然とウオーキングという運動をする機会が増えます。

同時に、屋外で紫外線を浴びることにもなるので、これがよい結果を招いていると推測されます」

紫外線は骨を強くするビタミンD生成に欠かせない。

「それだけでなく、ビタミンDの欠乏は、認知症をもたらすアルツハイマー病や脳血管性認知症との関連性も認められているのです」

しっかり太陽の光を浴びて、食事でも魚やキクラゲなどでビタミンDを摂取することが、認知症の予防には大切なのだ。

▼運動

《マラソン × 筋トレ》

習慣として取り入れるなら、筋トレのような無酸素運動とジョギングに代表される有酸素運動のどちらがいいのだろう。

マラソンブームのピークは過ぎたとはいえ、中高年の人気は根強い。

きちんと練習すればタイムが伸びるマラソンは、体力、気力ともに下降傾向にある中高年にとっては、オレもまだやれるという希望になるからだ。

「ランニングは多幸感をもたらすエンドルフィンが分泌されるので中毒になりやすく、つい無理をしてしまう人が多い。

有酸素運動の効果的なペースは人と会話しながら走れるくらいのスピード。

息が上がってはいけません」(秋津先生)

その点、筋トレは無理をしにくく、若さを保つ男性ホルモン、テストステロン分泌も促される。

ジムに通わなくても家で行うサーキットトレーニングでいい。

有酸素運動なら、お勧めは体に負担の少ない水泳だ。

《ゴルフ × 山歩き》

せめて月に何度かは体を動かそうと思ったとき、ゴルフと山歩きではどっちがいいのだろう。

秋津先生は、ゴルフは命を縮めるという意見だ。

「運動とスポーツの違いで、運動というのは単に体を動かすことだけれど、スポーツはそれに数字が絡んでくる。

散歩もジョギングもスポーツじゃないけれど、キロ何分とか言い始めるマラソンはスポーツになる。

すると記録を更新しようと脚が攣(つ)ったり、フラフラになったりしても、頑張ってしまう。

ゴルフもスコアを競うのに加えて、体調が優れなくても、メンバーとの約束は破れないからと無理をします。

これがよくない。ゴルフ場に救急車、結構出動していますからね」

同じ緑に囲まれるのならゴルフ場よりもハイキング。

「神社巡りもいいです」と秋津先生は勧める。

▼リフレッシュ

《出不精 × 外出好き》

休日の過ごし方でも“老ける、ボケる、早死にする”は決まる。

「出不精は絶対ダメ。

疲れたからと家でゴロゴロしても疲れは取れません。

いっそ日曜日の朝イチで出かけ、遊んで帰ってくるほうがリフレッシュできます。

休日のリセットは静養ではなく、仕事と違うことを一生懸命すること。

昼まで寝て、仕事のことをぐずぐず考えて、気がついたらもう夕方なんていうのは最悪の休日です」(秋津先生)

《多趣味 × 無趣味》

「仕事以外にはすることがないという無趣味な人は意外と多い。

でも、これはよくない」(秋津先生)

では、読書のようにインドアの趣味でもOK?

「本好きは本を探しに図書館へ行くし、飲み屋でも『村上春樹の新作は……』みたいな話題がある。

仕事以外のネットワークづくりになればいいのです。

仕事関係以外にネットワークがない人は社会的孤独になりやすく、うつ病、ボケ、早死にしやすいと言えます」

《長時間睡眠 × 短時間睡眠》

「よく何時間しか寝てないから眠いと言いますが、大事なのは時間の長短ではなく、明くる日起きたときの頭のスッキリ具合です」(秋津先生)

睡眠時間の個人差は大きい。

ショートスリーパーでも、疲れが残っていないのであればいっこうにかまわないと秋津先生は言う。

「むしろ、昨日は4時間しか寝ていないと不安に感じるほうがよほどよくない。

朝早く目が覚めてしまったなら、二度寝せずに着替えて、散歩でも、読書でもなんでもいいから活動を始めたほうがいいのです」

▼SEX

《いつまでもモテたい × 早く枯れたい》

「性欲と金銭欲はボケ防止と長生きのコツだと私は思っています」と秋津先生。

「金もあるし、あくせくしたくないという人は生きる意欲がなくなるので早死にしがち。

多少生活に困って、金のことを必死に考えているほうがボケ予防にはいい。

同じように、いくつになってもスケベ根性をなくさないのも、ボケないコツ」

身だしなみや言動などで、異性の目を気にするのは大事なこと。

ただし、いくらスケベがいいとはいえ、限度はある。〈それ犯罪です!〉にならないように。

《ED薬を飲む × ED薬を飲まない》

「EDはほとんどが心因性、ストレスによるものです」(秋津先生)

しかし、長く夫婦関係を続ければ妻が相手だと立たなくなることも。

「役立たず! 私を女として見ていないんでしょ!」と罵られ、それがトラウマとなり、失敗したらどうしようと思うほどますます萎えていく。

「それが『男としてもうダメだ』というネガティブな発想に繋がってしまう。

それくらいなら、たまに薬を使ってでも、ポジティブな自信を持つきっかけになったほうがいいでしょう」

自信は若さのもととなり、ボケの防止にも役立つ。

▼配偶者

《ガミガミ妻 × 無関心妻》

奥さんが口うるさいのとまるで旦那に関心のない場合ではどうだろう。

「ガミガミ言われると男性ホルモンであるテストステロンが著しく低下します」(白澤先生)

闘争心、決断力を高め、やる気を出すドーパミンの分泌を促すテストステロンが減ると、アクティブさが失われ早く老け込むだけでなく、うつ病を招きやすいという報告もある。よくない夫婦関係なら無関心でいてくれたほうがいいようだ。

《離婚して独りになる × 仮面夫婦でも別れない》

妻に先立たれた男性は早死にするという統計がある。

早死にする一番の理由は「寂しいから」ではなく「自分で飯が炊けない」こと、つまり栄養の問題が大きいと白澤先生は言う。

「高齢になっても自炊、しかも栄養バランスのとれた調理ができる男性は独身でもパフォーマンスが高い」

料理は脳の訓練にもなる。

自炊ができるのなら、別れたほうが、ストレスがなくていいのかもしれない。

▼人生観

《浪費家 × 倹約家》

「長生きする人はネットワークが広く外交的なところがあるので、お金をケチらない浪費型かな」(秋津先生)

しかし、長生きすると考えると、老後に備えお金が使えないというジレンマが。

「お金が足りなくなったら、必死に頭を絞って稼げばいいだけ。

宵越しの銭は持たないというのはボケ予防にとっても正しいのです」

《楽観的 × 悲観的》

「楽観的な人のほうがストレスは少なく、作り笑いでも笑顔でいたほうが、ボケないという研究報告があります。

逆に、皮肉っぽく人生を捉える人は認知症の発生率が3倍というデータもあります。

ただし、楽観的すぎる人は事故などに遭いやすいので、短命傾向にあるという研究もあるので、ご用心を」(白澤先生)

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