安倍首相の成功に学べ

日本の民主党の政策失敗を踏襲する文政権 安倍首相の成功に学べ

2018/11/25(日)

【寄稿】文在寅政権は安倍首相の成功に学べ

1990年代の初めから日本経済は成長がストップした。

不動産バブルがはじけ、名目国内総生産(GDP)は増えず、ソニーやトヨタなどの代表的な企業は活力を失った。

東京・銀座にはタクシーの空車が数百メートルも並んだ。

さらに悪いことに、2011年の東日本大震災は日本経済をグロッキー状態に追い込み、先進国最長と言われる20年を通り越して「失われた30年」になるのではという声が相次いだ。

ところが、安倍首相が再び登場した。

07年に政権を執ってから1年で存在感もなく退いたため、誰もが再び政権を執るとは予想していなかったし、期待もしていなかった。

だが、12年末に再び政権を執った安倍首相は別人になったかのように強力なリーダーシップで危機を克服した。

低迷していた経済は息を吹き返し、株価は2.4倍に上がり、企業実績はバブル期に匹敵するほど大幅に改善した。

有効求人倍率1.43倍というほど失業率は下がり、空前の求人難となっている。

11年に韓国より少ない622万人だった訪日外国人観光客は、6年で3倍以上増えて昨年2600万人に達した。

韓国の方が進んでいた幹細胞分野でも、数多くの韓国人が幹細胞治療のため日本に行くようになるほど規制がなくなった。

バイオ・人工知能・自動運転車といった第4次産業革命で、日本企業は韓国の先を進んでいる。

今では東京でタクシーをつかまえることも、ホテルを予約することも難しい。

安倍首相は今年9月の自民党総裁選で3選を果たし、よほどの異変がない限り21年まで首相の座を守り、「最長寿首相」となることが約束されている。

お粗末な素人のようだった安倍首相に一体何が起こったのだろうか?

韓国メディアでは「極右性向の安倍首相は憲法改正により軍国主義復活を推進している」という報道が主流をなしている。

修正主義的歴史観を持つ安倍首相は時折、韓国と摩擦を起こすが、政権を執ってからの6年間、憲法改正はなかった。

日本の軍事費は中国の5分の1程度で、このまま行けば数年以内に韓国の軍事費の方が日本を追い越す見通しだ。

我々は安倍首相のことを客観視しなければならない。

第一に、安倍首相は政治的理念や傾向ではなく、実用性を取った。

最初に首相になったころに掲げたスローガンは「戦後レジームからの脱却で美しい国を作る」というものだった。

簡単に言えば歴史美化だ。

国が長期不況にあえいでいるさなかで、とんでもない方向性だった。

5年間にわたり切歯扼腕(やくわん)した末、「問題は経済にある」という点に気付いた。

再び首相になった時、全国民が共感できる不況脱出のための具体的な政策を掲げた。

そして、「金融の大胆な量的緩和」「積極的な財政拡大」「成長戦略」という3本の矢に焦点当てた経済政策「アベノミクス」を推進した。

専門家はアベノミクスに否定的だったが、安倍首相は確信を持って一貫してこれを貫き通し、凍りついていた市場はついに動き出した。

第二に、「人事が万事」であることに気付いて実践した。

理念に基づいて自身の政治的理念や傾向を同じくする人物を起用した最初の執権時とは違い、敵と手を取り合うこともいとわなかった。

国政で中核である経済と外交の司令塔役を一時、自身の政治的ライバルに任せた。

総裁選挙時のライバルだった麻生太郎元首相を副総理兼財務大臣に、相手派閥のトップである岸田文雄氏を外務大臣に、それぞれ起用したのだ。

第三に、官僚を「積弊」(本来は長年の弊害という意味だが、現在の韓国では前政権の弊害という意味)ではなく「国政パートナー」として積極的に登用した。
かつての民主党政権は官僚を「日本を台無しにした積弊」と見なす傾向が強かったが、安倍首相はエリート官僚を重用した。

アベノミクスの重要な軸である量的緩和を担った日本銀行総裁に金融官僚出身の黒田東彦氏を、国家安全保障会議(NSC)の事務局である国家安全保障局の局長には元外務次官の谷内正太郎氏を起用した。

韓国で言えば、前政権に加担した「積弊」たちだ。

うらやましいことに、首相官邸に各省庁の最も有能なエースたちを集め、「アベンジャーズ軍団」を持っているというわけだ。

専門家らは「韓国経済は日本型の長期不況に入ろうとしている」と警告する。

驚くべきことに、文在寅(ムン・ジェイン)政権は「所得主導成長」「政治的理念や傾向に基づく人事」「官僚軽視」という日本の民主党の政策失敗を踏襲している。

アベノミクスは韓国に一定の部分における活路を示している。

だが、アベノミクスは何か特別な秘訣(ひけつ)なのではなく、市場で資金を循環させ、規制を緩和し、企業を活気づかせ、技術革新投資と雇用を増やす好循環構造を作るということだ。

トランプ米大統領も、マクロン仏大統領も、程度の差こそあれ同じ処方をしている。

国益最優先主義に基づいて実用・実利路線を貫いた安倍首相を横目で見つつ、文在寅政権も機を逸しないよう祈る。

尹徳敏(ユン・ドクミン)韓国外国語大学客員教授・元国立外交院長

————————-

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です