吉本興業の体質

2019/06/26(水)

ギャラが低く、マネジメントは機能せず、契約書もなく、実質的に移籍の自由もない──

今回の一件はこうした吉本興業の体質によって生じてしまった側面がある。

芸人にとっては、おそらくそうとう不満はあるはずだ。

ギャラが低くても事務所移籍はできず、仕事を自分で作っても事務所の対応は遅く、契約書を交わしてくれないのでトラブルが生じると一方的に契約解除をされる─
─テレビの情報番組に出演する同社所属の芸人は言葉を選んで話しているが、おそらくこうした不満を抱えている。

よって、今回の問題を単に芸人だけに帰責すると、また同様の事案が繰り返されることになる。

そもそも2012年にも、吉本所属のタレントがペニーオークションに関する虚偽の内容をブログに書き込んでいたとして問題となった。

これも「闇営業」だった。

つまり、2014年以前に火種は存在したのだ。

吉本興業は「今後、所属タレントへのコンプライアンス研修の一層の強化を図り……」と発表しているが(吉本興業「プレスリリース」2019年6月24日)、そもそもの構造的な問題が解消されないかぎり、今後も同様の事案は生じうるだろう。

ここでひとつ付け加えたいのは、こうした吉本興業と政府が現在きわめて近い関係にあることだ。

4月、吉本興業はNTTとともに教育コンテンツ配信事業「ラフ・アンド・ピース・マザー」を立ち上げると発表した。

ここには、官民ファンドであるクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)から約100億円の出資が予定されている(吉本興業『ラフ&ピースニュースマガジン』
2019年4月21日)。

タレントと契約書も交わさないような会社に、政府からの多額の資金が流れることとなる

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